エコー

鍼灸師がなぜエコーを使用しているのか

acu.oshiro


疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思うので、

「鍼灸師がエコーを使う理由」について。



僕自身は、エコーを使い始めて8年目になります。


エコーは、レントゲンやMRI,CTと違い
静止画のみではなく、「動かしながら」体内を確認することができます。


レントゲン画像
MRI画像
CT画像



エコーは、

被曝をせず、動きを確認し、
画面に鍼を映しながら(火の玉様のもの)
目的の部位に確実に鍼を届かすことのできる優れた機械です。





初めて使用した時の衝撃が今でも忘れられないのです・・・。



腰方形筋という腰のやや深い位置にある筋肉があるのですが、

エコーを使わずに鍼を打ってみたところ、

・鍼が腰方形筋に届いていない
・でも自分では当たっていると思っている
・体表から真っすぐ刺さっているように見えて、中で鍼が曲がっている


養成学校でも、
真っすぐ鍼を入れ深さは〇㎝まで、
といったように練習をしてきた。


実際には体内では、鍼が曲がっているなんて思いもしない。
(全てではないです!)


鍼を曲げて打つ手法もありますが、
意図的にするものならまだしも・・・といった感じで。


これは本当にマズい・・・
と思ったあの衝撃。完全にショックを通り越していました。



そこから身体を立体的に視る意識が芽生え、
できるだけ解剖を【断面】でイメージするようになりましたね。



僕は東京オリンピックの
トレーナーになることを目標としていた時期があり、

そのトレーナーさんから
【パルス】という鍼に電極を繋げて、筋肉を動かす治療法を学びました。

大腰筋パルス



筋肉の動きを「作用」と言いますが、
作用を頭に入れ、パルスを繋いだ時の反応を見て

ここはしっかり当たっているな!

ん?ここは動きが弱いから鍼先の位置を変えてみよう!


といったように、
微調整しながら進めていきます。



現在もこのパルスのおかげで
施術幅が広がり、喜んで頂くことも多いです。


深い位置にある筋肉への鍼は
スキルがないとできません。危険であり、任せられないから。


上の動画は大腰筋という
上半身と下半身を繋ぐ大きな筋肉を動かしているのですが、

大腰筋:上半身と下半身を繋ぐ筋肉

かなり深い位置にある、
大腰筋周囲には腎臓や小腸がある、
大動脈という太い血管がある、


筋肉は重なっているので
その筋肉を貫いて目的の筋肉(大腰筋)へ・・・。


これだけでかなりの危険があること。
だからこそ、安全に。

可視化することで、無謀なことはしない。





あとは非常に大切なポイントとして、

【鍼をしていいか、してはいけないのか】


の判断をする際にエコーは本当に大活躍してくれます。



来院される方は
「鍼を受けよう!」と思って来院されていると思いますが、

我々鍼灸師はまず、

「今目の前に来られた方に鍼をしていいか」
を判断しないといけません。


そのために、問診や触診にて状態を確認していくわけです。




身体の表面から問題ないように見えても、
実際にエコーで見ると


・関節に水が溜まっていたり
・炎症反応がみられたり
・腱が部分的に断裂していたり



異常所見がみられることがあります。



鍼は、異物を体内に入れて、
組織に鍼先が当たったという反応をもとに
修復を促すスイッチを入れていくので、

炎症期に鍼をしてしまうと
かえって悪化させてしまう可能性も否定できません。


ですので、

「この状態なら鍼はOKだ!」


と確認し、土台を整えた状態で施術を開始することができます。



ハリスマを運営してから1年ちょっとの間に、
5人ほど病院へ促した例があります。


施術をしてみたけど思うような効果が出なかったもの。

明らかに適応外だと判断したもの。

今、最優先は鍼ではなく病院受診だと感じたもの。



などなど。



たった5件と感じるのか、
5件もあったと感じるのか。

エコーを使用していて良かったと思うことしかありません。



僕は鍼灸師として、エコーを活用することが出来て
本当に良かったと思うことが多々あるのですが、


その1つは、首の前側に鍼を打てるようになったことです。


こちらのInstagramでも紹介しました!

(↑ クリックするとInstagramへ飛びます)


際どい場所へ打つことが出来るのは
エコーの可視化のおかげです。
(呼吸がしやすい!特に女性が「首が長くなった」と喜んでくれます)


とはいえエコーに過信するのではなく
鍼を打つのが難しいと判断した場合は、画像上でしっかり見えていても打たないこともあります。


際どい場所は効果が高いことも多いのですが、
だからこそ慎重に進めないといけない。



そういった意味でも、
鍼1本にしっかり意味をもたせ、丁寧に扱うことをとても大切にしています。



最後にまとめるとこのようになります。

  • 鍼が適応かどうか見極めることができる
  • 臓器や血管などの位置を確認できる
  • 筋肉の厚みを見て、鍼の長さを調整できる



当サロンは運動器(筋肉、筋膜、神経など)に特化した使用方法ではありますが、

エコーは持ち運びができるので、
訪問診療や看護の領域でも大活躍!

今後、様々な分野で更に注目されていくと思います。



沖縄県内でエコーを活用している整骨院・接骨院はありますが、
鍼灸院単独で使用している所はおそらくないと思います。
(古い情報であればすぐ修正します^^;)



沖縄で唯一の・・!

ではなく、

医療機器を扱っているからこそ
より一層の責任を感じる瞬間が多々あります。


エコーについて
この先ずっと学び続けること。


目の前にいる、
必要としてくださる患者さんのために、
これからも大切に活用していきたいと思います。

大城裕一郎
大城裕一郎
生命力UP手伝いビト
沖縄県宜野湾市にて【鍼】をメインとした施術を行っています。安全に鍼を受けて頂きたいとの想いから、エコーを使用した安全な施術をお約束。【生命力】とは自分を信じるチカラ。そのチカラを鍼を用いて引き出したいヒト。施術だけでは終わらない、行くのが楽しみになるようなサロンを目指しています。好きな言葉は「一生懸命こそかっこいい。」そんな大人の背中を見せ続けます!
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